高性能カーボネート系PUDで広がるテキスタイル加工の可能性 ─ サンプレックス PUE-800・PUE-829・PUE-813M
テキスタイル業界をはじめ、さまざまなアプリケーションにおいて水系ウレタンエマルジョン(PUD)の需要が高まっています。
従来の溶剤系樹脂に比べてVOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく、環境や作業者への負担が軽減されるだけでなく、繊維やフィルムなどへの強力な接着性や高い物性を付与できる点が注目されている理由です。
ここでは、カーボネート系ウレタンエマルジョン「サンプレックス PUE-800」「サンプレックス PUE-829」「サンプレックス PUE-813M」の3製品を中心に、それぞれの特長や用途、そしてテキスタイル用インクジェットの主要手法であるDTF・DTGについて詳しくご紹介します。
PUD(水系ウレタンエマルジョン)の特長
環境配慮
水を分散媒体とするため、従来の溶剤系製品に比べてVOCの排出量を大幅に削減できます。
消防法などで規制される有機溶剤を含まない製品であれば、作業環境の改善や環境負荷低減につながります。
高い物性
ポリウレタン特有の強靭さや伸縮性、耐擦傷性、耐加水分解性などを併せ持っています。
特にカーボネート系ウレタンエマルジョンでは、優れた透明性や光沢、耐水白化性が期待できます。
幅広い用途
テキスタイル用インクジェットインキや塗料用バインダー、ホットメルト型接着剤、人工皮革など、多種多様な分野で活用可能です。
水系でありながら、溶融した際の物性が安定している製品もあり、応用範囲が広がっています。
サンプレックス PUE-800
サンプレックス PUE-800 はカーボネート系ウレタンエマルジョンをベースとしたPUDです。
非粘着で光沢・透明性・伸縮性に優れ、耐水白化性も良好なため、テキスタイルやインク・塗料用ベースとして幅広く利用できます。
また、ホルムアルデヒドなどの内分泌攪乱物質を含まないため、ベビー用製品など安全性が重視される用途にも適しています。
- 外観:乳白色エマルジョン
- 固形分:39±1%
- 粘度:約200mPa・s(25°C)
- pH:7.5~8.5
- 伸度:800%
- 100%モジュラス:30 kg/cm²
- 引張強度:200 kg/cm²
- 特長:非粘着、光沢、無黄変透明、高弾性、耐水白化性良好、耐摩擦性良好
- 用途:顔料インクジェットインキベース、ウレタン塗料用ベース、ベビー用品向け
サンプレックス PUE-829
サンプレックス PUE-829 は、ホットメルト型接着剤用として開発されたポリカーボネート系自己乳化型の水系ウレタン樹脂です。
有機溶剤を含まず、非危険物に分類されるため、消防法などでの取扱い上のハードルが低いのが特長です。
加えて、耐加水分解性に優れ、熱溶融させた際に形成されるフィルムは、高温下でも白化しにくく、優れた耐温水性を示します。
- 外観:乳白色液状
- 組成:ポリカーボネート系ウレタン樹脂
- 有効成分:40%
- pH:7~9
- 粘度:1000mPa・s 以下
- 溶融温度:約120°C
- イオン性:アニオン+ノニオン含有
- 特長:非粘着、光沢、無黄変透明、高弾性、耐水性、耐水白化性、広範囲接着
- 用途:塗料・インク、人工皮革、自動車内装、家具、アパレル、エラストマー
サンプレックス PUE-813
サンプレックス PUE-813M は、PUE-800 と同様にカーボネート系ウレタンエマルジョンでありながら、固形分や粘度などを調整し、より幅広い加工性を実現した製品です。
非粘着で光沢や透明性、伸縮性に優れ、かつ優秀な耐水白化性を持つため、各種堅牢度を高めたい用途に最適です。
- 外観:乳白色エマルジョン
- 固形分:30±1%
- 粘度:100mPa・s 以下(25°C)
- pH:7.0~9.0
- 特長:非粘着、光沢、無黄変透明、高弾性、耐水白化性良好、耐摩擦性良好
- 用途:顔料インクジェットインキベース、ウレタン塗料用ベース、ベビー・アパレル製品
テキスタイル用インクジェットインキの印刷方式:DTFとDTG
近年、テキスタイル用のデジタルプリントにおいて特に注目されているのが、DTF(Direct to Film)とDTG(Direct to Garment)という2つの印刷方式です。
それぞれに異なる工程や特長があり、目的や素材に応じて使い分けられています。
DTF(Direct to Film)
DTFは、専用のフィルムにインクを印刷し、熱で定着させてから生地へ転写する方式です。
- メリット:幅広い素材に印刷可能。白インクで濃色生地にも対応し、発色が鮮やか。
- デメリット:フィルム処理や粉末接着剤の工程が必要。やや工程が増える。
DTG(Direct to Garment)
DTGは、衣類に直接インクを吹き付ける方式です。Tシャツやスウェットなどの生地に直接プリントし、熱処理でインクを定着させます。
- メリット:柔らかい風合いが残り、フルカラーや細かなデザインが可能。
- デメリット:生地の種類によっては前処理が必要。白インク使用でコスト増。
どちらの方式でも、「サンプレックス PUE-800」「サンプレックスPUE-829」「サンプレックスPUE-813M」を活用したインクは柔軟性・耐久性・環境性能を向上させ、より高品質なプリントを実現します。
まとめ
「サンプレックス PUE-800」「サンプレックスPUE-829」「サンプレックスPUE-813M」は、高性能な水系ウレタンエマルジョンとして、印刷用途において柔軟性・耐水性・環境対応性に優れた特長を発揮します。
DTFやDTGといった最新のテキスタイル印刷技術と組み合わせることで、プリント品質のさらなる向上や、環境に配慮したものづくりが可能です。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。